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  講演「病を癒すお大師さまの心」

2006.01.24 弘明寺 池口惠觀師講演会
主催:真言宗病苦研究会

2006/1/24 講演「病を癒すお大師さまの心」 弘明寺 池口惠觀師講演会(101分) mp3/46.4MB
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   病気はお医者さんが治すものである。また、お坊さんは葬式とかお供養をするのが役目だというふうに日本では長いこと思われて来ております。しかし宗教は本来病気の人を癒す存在でもあったわけでございます。弘法大師空海、お大師さま、この弘明寺もお大師さまが開かれた古刹でございます。このお大師さまは今から1200年も前に唐の国に留学なさって密教を受け継いで帰国されたわけでございますけれども、それがちょうど今年と同じ干支の丙犬(ひのえいぬ)の年でございました。
 806年にお大師さまは帰ってこられた。今から60年を20回。還暦が20回繰り返されたことになります。その教えには病気に関することが一杯ございます。病気の原因には大きく分けて二つあるというふうに教えて下さっています。一つは体の病気。これはお医者さんとか薬で治した方がいいよ、で体の病気はお医者さんとか薬で治しなさい。もう一つはこころの病で、これは仏さまに祈って治した方がいいというふうに教えて下さっております。そんなわけでお大師さまの弟子である私たち真言僧というのは、病気の人をどのように癒していったらいいのか、そういうことでこころを砕いて祈っているようなわけでございます。もともと表裏一体でありました宗教と医療が近代に入りましてからは、はっきりと区別されてしまっております。治療はあくまでも西洋医学による医療技術の問題であって、明快なマニュアルを作れない宗教とか、東洋医学といったようなものは日本の医学界から遠ざけられてきたようなわけでございます。しかし、最近になりまして医療と宗教を結ぶ考え方がきちんと評価され始めて来ました。私は、そのことを大変こころ強く思っているようなわけでございます。
 私が真言宗の僧侶でありながら、国立大学の医学部で講義を始めました頃は非常に珍しい存在として話題になったほどでございました。宗教者としての立場で医学生に生命とはなにかということをお話しするようになったわけでございます。それ以来、20年近くなりまして、今では山口大学から始まって13の国立大学と2つの私立大学、15の大学でやってきております。今では、医療と宗教とを結んで考えるということが学会とか、宗教会にも徐々に広がって来ておるのであります。
 西洋医学の一辺倒でありました考え方が是正されまして、最近では補完代替医療学会とか予防医学会とか、東洋医学始めいろいろな民間療法に対する研究も行われるようになって来ております。私もこの代替医療学会とか予防医学会の立ち上げに関係して来たわけでございますけれども、そうゆう関係で学会でお話しをさしていただく機会が非常に多くなってきております。私は今日のテーマを「病を癒すお大師さまの心」というようにさしていただきました。このこころと言いますと宗教の分野であるというふうに皆さん方もお考えの方が多いと思いますけれども、ところが1990年代からこころという問題を科学、これは厳密に言えば西洋近代科学ということになると思いますけれども、ここから解き明かそうというような動きが盛んになって来たのであります
(101分)




神奈川県横浜市 弘明寺 2006/1/24 「病を癒すお大師さまの心」 弘明寺 池口惠觀師講演会 033
 
 
   
   
   
   
 
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2006/1/24 弘明寺 池口惠觀師講演会 主催:真言宗病苦研究会

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