池口恵観勉強会  東 京 2006年 Ikeguchi Ekan Benkyokai Tokyo 2006 Hizohoyaku  HOME 

秘蔵宝鑰

2006/2/24
第75回池口恵観勉強会
ホテルニューオータニ
第一講話 時局
サルキソフ先生
澤教授バイオリン演奏
第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興序文
宇宙のリズム
これからも行者として生きていく
御先祖の使命
行者として生きる幸せ
人のために生きる
仏さまの道
仏さまと一体になる喜び
内蔵を開いて宝を授く
宇宙の秘密の扉
楽と不楽 得と不得

新しい自分作りに挑戦
   私たちは、満ち潮で生まれて来て、また引き潮で死んで行く。宇宙のリズムに乗って生まれて来たり、また死んだりしておるし、曲にしても、楽器にしても宇宙のリズムに乗って創られたものというのは、常にいつの時代でも新鮮さを感ずるものがある。そうゆうふうに、私たちの体の体温は36度で、その倍が72の脈拍であるし、その倍が140の最高血圧と。36の半分が18で1分間の呼吸数で、その18という数字は、波が打ち寄せる1分間の数。
 私は今まで行者として生きてまいりました。これからも行者として生きてまいります。そして生まれ変わり、死に変わり、私は行者としていこうというふうに思っているわけでございます。それは私の両親を始め、はるかに遡る御先祖の使命でもあったからであります。
 行者として、こうして生きる幸せというのは、祈りをすることによって、沢山の方々が幸せを掴んでいただく、そのお手伝いが出来るということでございます。人のために生きることが出来ることこそが、仏さまの道にほかならないというふうに思います。それは私たちのの道だけじゃなく、皆様方の道もみな、人のために生きることこそが、仏さまの道にほかならないということを感じていただいて、そうゆうふうにしていただければ自分も満足し、人も満足することになると思います。そして世のため人のために祈るときに、私は仏さまと一体になる喜びを得たわけでございます。
 内蔵を開いて宝を授く、内の蔵を開いて宝を授ける。この一文から宇宙の秘密の扉を開いて、そこから宝を頂く法を授けましょうという、お大師さまの強い決意が伺われるのでございます。
 楽と不楽と、得と不得と、自心能くなす。その宝を得て楽しむか、得ずして楽しまないか、どうするかは自らのこころがなすところである。すべては自らのこころにあるんだとするのがお大師さまの教えの基本でございます。迷いの世界に留まって、いつまでたっても真実の充足を知らないで生きていくというのは愚かなことでございます。その闇から抜け出すために、仏さまは教えの道を示していらっしゃるのであります。しかし、自分自身で迷いの闇を抜け出そうと思わなければ、どれほどの良薬を投じたところで、飲まずに放り出しているのと同じことである。
 どのようなことも、考えているだけでは何もしないのと同じことである。あるとき、送られてきた雑誌を何気なく読んでおりましたら、日垣隆(ひがきたかし)の文が目に止まりました。新しい自分作りに挑戦していらっしゃるようであります。一つは料理を自分で作ることで、これは生きることとは、自分で何でも身の回りのことが出来ることだというふうに気づいたからだったと。もう一つが方向オンチを直すことで、思い立って地図を読むトレーニングをしていらっしゃるうちに、次第に地図と実際の空間とが重なるようになって来た、というふうに書いていらっしゃる。いくつになっても、自分に対する思い込みなんか変えることが出来るということであろうかと思います。(ホテルニューオータニ 翔の間)


2006/2/24 第75回池口恵観勉強会 第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興序文(58分) mp3/26.5MB
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2006/3/23 
第76回池口恵観勉強会
ホテルニューオータニ
第一講話 時局
岡本佳織様ソプラノ三曲
大興善寺館長界明法師様
第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興2回目
保岡興治先生
平原会長真向法説明と実演
澤教授バイオリン演奏
恵観先生挨拶
大興善寺の館長さん
精進料理
110キロ
中国仏教界の会長
こころの復興
この世のことは夢幻
ライブドア
堀江貴文前社長
   大興善寺の館長さんのご挨拶をいただきました。中国のお坊さんたちは非常に戒律を守っていらっしゃって、ほとんど結婚してらっしゃません、そして食べ物も精進なんですね。今日はお坊さんたちは皆、精進料理を作ってもらって食べていただいたんですけれども、だから非常に綺麗ですね。私は肉は食べないんですけれども魚を食べるもんですからこんなに大きくなって、110キロあります。若いですね。私よりも一つ上なんですけれども本当に若々しくて、やっぱり戒律を守ってらっしゃるから。京都に行くんだったら、京都の芸子さんとか舞妓さんとかおるから見ますか言うたら「そんなの見ない」と言うて、私なんかハイと言うてすぐ行くんですけど。やっぱりそこも戒律を守ってらっしゃるから、失礼なことを言うたなと思ったんですけど、まあそう言うことで私の兄弟、兄さんになってますから、そういう冗談も何でも言えるわけでございますけれども、本当はこの前まで、私は弟だと思っておったんです。弟が仏教界の会長になったから日本に来なさいと呼んだわけなんですけど、来てみたら兄さんだったんです。それからお兄さんと言うことにしてます。
 そういうことで、第二回目の秘蔵宝鑰、お大師さまの書かれた秘蔵宝鑰から第二回目のこころの復興という題を付けたんですけれども、今、こころが非常にすさんで来てますので、事件もいろいろ有りますので、この秘蔵宝鑰から、お大師さまがどういうようなこころのことを説いてらっしゃるのか、と言うことでこの秘蔵宝鑰から取り上げてお話しをして行きたいと思います。
 平成18年のテーマとして、私がどうしてこのお大師さまが書かれた秘蔵宝鑰を取り上げようとしたのか今、考えると不思議な思いをしているのであります。
 21世紀に入りまして、日本は変わり続けております。大きな視野で見渡して見ますれば、世界も大きく変化をして来ております。そして年末年始を挟んで社会を揺るがすような事件が次々に起きました。改革の結果であるかどうかは後世の人たちが判断することであろうかと思いますけれども、しかし事件によって明るみにでたいくつかの闇というものは、まさにこの秘蔵宝鑰でお大師さまが説き教えられた状況そのものであるわけでございます。自分がその闇を彷徨っていることさえ分からない愚かな者たちのいかに多いことであるか。この世のことは夢幻だというのに、皆この世の栄華を思ってそして迷っておる。お大師さまは、そのように教えて下さっておるのであります。ライブドアの堀江貴文前社長のことを私は思い出してみました。私が皆さん方に問いたいのは、彼がどのように法に触れる行為をしたのか、そういうことではないわけでございます。だから彼を糾弾するつもりはございません。せっかくパワフルな生命力を持って生まれてきた若い世帯が道を外れて迷わないように、皆さん方とともに考えてみたいわけであります。
 彼のように成りたいというふうに考えてる青年たちが、沢山日本にはおると聞いております。その若者たちが迷いから抜け出して生きる道を一緒に私は探って行きたいわけでございます。(ホテルニューオータニ 翔の間)

2006/3/23 第76回池口恵観勉強会 第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興 2回目(57分) mp3/26.5MB

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2006/4/28
第77回池口恵観勉強会
ホテルニューオータニ
第一講話 時局
サルキソフ先生
保岡興治先生
澤教授バイオリン演奏
第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興3回目
愚童持斎心
冬来たりなば春遠からじ
夜明け前が一番暗い
異生羝羊心
絶望の淵
仏さまの御縁に触れた時
奢り不明を恥じる

こころの旅路が始まる
   愚童持斎心(ぐどうじさいしん)を読んでいってみたいと思います。「それ禿なる樹定んで禿なるにあらず。春に遭うときはすなわち栄え花咲く。増なれる氷、何ぞ必ずしも氷ならん。夏に入るときはすなわちとけ注ぐ穀牙、潤いを待ち卉果、時に結ぶ」、この書き出しの名文をご一緒に味わっていただきたくって、原文をこうして紹介したわけです。そもそも冬枯れの樹木でも、冬になって葉が落ちて、枯れ木だと思えるような木であっても、いつまでもそういう枯れているような状態でいるのではない。春になれば芽生えて、花が咲くんだ。また厚い氷でもいつまでも氷で凍っていることはない。夏になれば解けて流れ出す。穀物の芽も湿り気があれば発芽をして、果実も時が来れば実を結ぶ。こうゆうふうに最初に言ってらっしゃる。あたりまえのことなんですけれども、季節が巡るように、私たちの時も廻っているということを思い出させてくれるのであります。
 この「禿なる樹定んで禿なるにあらず。春に遭うときはすなわち栄え花咲く」。葉が落ちた木を見て、もう枯れ木だからといって見限ってしまうな。春になれば花が咲くんだ。また花が咲いても、いつまでも花が咲いているとは思ってもいかんし、努力をしなかったら、またすぐ落ちて枯れ木のようになってしまう。だからその時、その時をしっかりと自分の道を歩いて行けばいいんだということであると話しをするのです。
 また、冬来たりなば春遠からじ。夜明け前が一番暗い。こんな言葉で元気を取り戻した体験を持つ方は沢山いらっしゃると思います。辛いことがあって、落ち込んでしまったときに私たちは絶望の淵の底ばっかりを見ようとしてしましがちであります。そうではないんだと。暗い淵から立ち戻る道があるんだというふうにお大師さまは言っていらっしゃるわけでございます。絶望の淵というのはどんなものなんでしょうか。秘蔵宝鑰の第一、異生羝羊心(いしょうていようしん)で語ります、暗い深い闇に彷徨う孤独な我がこころ、仕事にまた人生にパワフルに活動しているはずが、どこか空しいと感じた時、それが仏さまの御縁に触れた時であります。
 仏さまが微かに指し示していらっしゃる明かりで、自分の身の本当の姿を見てしまったらどうでしょう。栄華を極めていると思っておったのが、実は自分のことばかりを考えて誰からも背を向けられておったというふうなことを知ったらどうでしょう。
 最近、事件を起した企業の社長が記者会見で謝る姿がよくテレビで出ております。強気だった人が過ちに気づいて、また自ら傲慢だったと謝罪している姿を見ておりますと、お大師さまが異生羝羊心で教えていらっしゃることとよく重なるんですけれども、知らず知らず自分の本当のこころを覆っておった奢りとか、不明を恥じるところから、こころの旅路が始まるのであります。(ホテルニューオータニ 翔の間)

2006/4/28 第77回池口恵観勉強会 第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興 3回目(59分) mp3/27.3MB
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2006/5/26
第78回池口恵観勉強会
ホテルニューオータニ
第一講話 時局
李先生
真向法
ファゴット演奏
第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興4回目
嬰童無畏心
大興善寺
空海、弘法大師のお師匠さん
恵果阿闍梨
不空三蔵
密教の八千枚護摩行
1300年ぶりに行われる八千枚護摩行
百万本の行
札が一千万本を超える
非常にありがたい生まれ
心身を磨き上げていく
   お大師さまの秘蔵宝鑰からの、こころの復興4回目でございます。嬰童無畏心(ようどうむいしん)という住心の四段階に上がって来ております。
 来年のゴールデンウィークは今考えているんですが、大興善寺(だいこうぜんじ)という中国の西安でございますけれども、ここは空海、弘法大師のお師匠さんが恵果阿闍梨(けいかあじゃり)でございました。恵果阿闍梨のお師匠さんが不空三蔵(ふくうさんぞう)でございます。この不空三蔵がおった寺が大興善寺なんです。この大興善寺の不空三蔵さんが、八千枚護摩行、密教の八千枚護摩行を教えておりました。それを私は92回やっておりますので、千二百年以上経った今年が弘法大師が行って千二百年ですから、千三百年位でしょうかね、始めてここで私、八千枚護摩行をやろうと思いますので、もし海外に行かれる計画をされてる方、一緒に行って、この千三百年ぶりに行われる八千枚護摩行に参加していただければありがたいと思います。
 自分自身を内面から変えていけば、少しの余暇であっても疲れは吹っ飛ぶわけでございます。もっと心身を鍛えていけば、日常の中にリゾートのような気分を見つけることも出来るようになると思います。日常の生活の中で自然と心身とが響き合って生まれ変わったような気持ちになることが出来るわけでございます。
 私は毎日2時間、皆さん方の願い事を書いたお札を二千本から焚いております。2時間かかるんですね。この時に無心にやっておりますと、ものすごく元気になってくる。ある時はものすごく大変なんです。もう夏は息が止まりそうになって、やっと自分の場所に帰っていくんですけれども、それでもスカっとした状態になります。今、二千本と言いましたけれども、これをですね私は平成元年に百万本をやったんですけれども、百万本の行をやりまして、それからずっと数えてみたら、この皆さん方がお祈りをして書いてしらっしゃる札が一千万本を超えておるんですね。
 日本の人口が一億何千万人だったら延べでございますが、十人に一人の人が、うちの祈願をして頂いているというような計算になるわけでございます。世界でこれだけ焚いたのは私だけだと思います。またそれだけの人が毎日二千本ですから、二千人からの人がずっとお祈りをして下さってるということでございますから、非常にありがたいことであると思います。
 私は非常にありがたい生まれなんだなというふうに思って感謝しているところでございます。感謝の気持ちが、こうしたリフレッシュが出来るんだろうと思います。
 秘蔵宝鑰でお大師さまが説かれるのは、心身を磨き上げて豊かで柔和で、ものに動じない感動する力を持って他人を癒し、世のため人のために幸せをもたらす事が出来る人間にならんといかんよ、と言う事だろうと思います。それだけではないと思いますけれども、心身を磨き上げていけば、生命の大いなるパワーを授かってこれを正しく使うことが出来る賢さと深い優しさを持つ人間になれるんだというのがお大師さまの教えであるわけでございます。(ホテルニューオータニ翠鳳の間)

2006/5/26 第78回池口恵観勉強会 第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興 4回目(58分) mp3/26.8MB

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2006/6/23
第79回池口恵観勉強会
ホテルニューオータニ
第一講話 時局
サルキソフ先生
安廣欣記先生
家田荘子先生
澤教授バイオリン演奏
第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興5回目
数息観
一呼吸の一瞬が寿命
生死を繰り返す
「あ」で始まり「うん」で終る
あいうえお
森羅万象
求聞持法

   どれほど美しく輝いて見えた美人であっても、死んだ肉体は硬直してむくみ、ウジがわくにまかせてやがて白骨化して行くわけでございます。お釈迦さまが出家される動機となったのは、富に栄えようとも現世の幸せを追求しておっても、人間は必ず病気になってまた老いて死んで行くんだ。そういうことに気づかれたからであるというふうに云われております。
 美しい女性であっても生身の人間であれば食べて排泄しなければ生きてはいけないわけでございます。あるがままを受け入れる大切さをまずここで教えます。数息観(すそくかん)というのは呼吸法のことでございます。呼吸を整えることを数息といいます。呼吸しながらこころを散らさない髄意、そしてこころの働きを無くして、そのこころで物をよく観察して、更にこころを展開して反省すれば妄想が起きないから清らかな状態になるというわけであります。この数息観は私もいつも行っております。
 人間は呼吸をして皆生きているわけであります。吐いて吸う、この繰り返しが生きるということであるわけであります。お釈迦さまは、この一呼吸の一瞬が寿命であるというふうに教えられたのであります。呼吸するたびに人は生死を繰り返しているということであります。あうんの呼吸と言うことも言えますけれども、神社の前にあります狛犬のように口を開いているのと閉じている状態でございますけれども、あれは「あ」で始まって「うん」で終っているわけでございます。お大師さまが作った「あいうえお」でございます。
 規則正しく並んでいるような五十音には、実は森羅万象のすべてが込められているのであります。呼吸が乱れていけば、脳に酸素の補給がスムースにいかなくなってしまいます。正しく呼吸をしておれば、体と宇宙とのリズムが響きあって脳の回路が活発に働くようになるのであります。お大師さまが神秘体験をされた求聞持法。その抜群の記憶を得るとされるこの求聞持法であるわけでございますけれども、おそらく右脳の働きが関係してるんじゃないかなというふうに私はイメージしております。
 こうして得た悟りの世界では神通力、つまりは超能力を得て徳も高くなるのであります。この段階を疎かに考えてはいけないので、こうした修行が生命とは何かを知る第一歩になって来るのであります。
 一呼吸が寿命であるとすれば、人生のなんとはかないことなんだろうかということが考えられます。時間というのは人間が認識して生まれるものですから、呼吸を続けることは時間なんだと言うことが出来ると思います。人はどんな人でも必ず死を迎えます。死ねば腐ってやがて白骨となって土の還っていくわけであります。どんなに権力があっても、富があっても、べっぴんさんであっても、この世の形はみんな消えてしまうのであります。(ホテルニューオータニ アリエスの間)

2006/6/23 第79回池口恵観勉強会 第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興 5回目(54分) mp3/24.9MB
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2006/7/24
第80回池口恵観勉強会
ホテルニューオータニ
第一講話 時局
徳田毅先生
米田健三先生
第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興6回目
山本一太先生
抜業因種心
声聞
縁覚
悟りというのはこの世のすべて因縁によって生じている影
解脱
煩悩があるから悟りへの扉が開く
困った時の神頼み
逆境は仏さまの知恵
煩悩はそのまま菩提のこころ
それを愛という
   お大師さまが書かれた秘蔵宝鑰の第五番目の抜業因種心(ばつごういんじゅしん)と言うのは、縁覚という修行の段階のことであるというふうにお大師さまは説いてらっしゃいます。
 悟りを開いて超能力を得て、澄みきったこころに至っている。お大師さんの言葉に、「湛寂(たんじゃく)の淵に遊泳し、無為の宮に優遊する」の言葉を言ってらっしゃいます。煩悩を絶って静かに落ち着いた涅槃の淵で自由自在に泳いで、仕事に追われることも無く、悟りの宮殿にのどかに遊んでおる。こういうのはなんとも穏やかな境地でございますけれども、望みはするけれども、誰でも近づけるわけではないといった境地であるわけでございます。この心境に至ることが出来るのは、声聞のように他の者から教えを聞いて悟っていくのではなくって、自ら修行をして、苦労して、悟りの境地とはこのようなことだというふうに知った者だけであるわけでございます。
 その悟りというのは、この世のすべて因縁によって生じている影に過ぎないということでございます。そしてこの世の俗を嫌って、一人で山林とか寒村に住んで、人と交わることも無、く無言の精神統一をしていく。このような境地に至ることであるというふうに、お大師さまはまず語っていらっしゃいます。
 お大師さまはここで解脱という言葉で悟りを語ってらっしゃいます。この静寂な安穏は、仏教を信ずる者だけが到達できるものだけれども、しかしこの解脱には大きな問題があるというわけであります。煩悩が大きければ大きいほど、悟りの帰依も大きくなってまいります。煩悩があるから悟りへの扉が開くわけであります。そして煩悩に苦しんで人間は救いを求めます。どうしたら楽になるだろうか。苦しんで、のたうち回って、やっと仏さまの教えを受け入れていくわけであります。苦しみや、痛みがひどくなければ医者に見せない人も沢山いらっしゃいます。困った時の神頼みというような言葉がございますように、人間は切羽詰らないとなかなか信仰心を育てることが出来ないものであります。だからお大師さまは、逆境は仏さまの知恵に依って授かるものであるというふうに教えていらっしゃいます。
 煩悩が無限にあるということは、悟りへの道も無限にあるというわけであります。しかし、煩悩が悟りに至る道の入り口であったとしても、悟ろうということに囚われますと、それがかえって煩悩の元になってしまうというふうにお大師さまは忠告されるのであります。
 タバコを吸われる人が禁煙しようと思えば思うほどタバコを止められないように、煩悩から早く逃れなくちゃいけないというふうに思って焦ったり、こだわったりすればするほど、その悟りから遠ざかってしまうものであります。
 この悟りを求めるという、いい事のはずであるのに、こだわってしまいますと、かえって良くない結果を生んでしまうということもあります。私たちは煩悩を抱えて悟ろう、悟ろうとするほど自分を縛ってしまう状態が出てまいります。煩悩というのは、そのまま菩提のこころであるんだという教えでもあるわけでございます。この煩悩があるから人は苦しんで、そしてまた磨かれて成長していくのであります。子供たちは泣き、笑い、走り回ってまた食べ寝てそして大きくなっていくのであります。親たちはまた振り回されながら、その生命力に込められた慈悲を感じ取って喜びに満たされていくのであります。それを愛というんだろうと思います。(ホテルニューオータニ 麗の間)

2006/7/24 第80回池口恵観勉強会 第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興 6回目(61分) mp3/28.0MB
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2006/8/30
第81回池口恵観勉強会
ホテルニューオータニ
第一講話 時局
米田先生
第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興7回目
他縁大乗心
茂木健一郎
煩悩即菩提
密教の根本
生命の賛歌
三毒
   今日は7回目の他縁大乗心(たえんだいじょうしん)ということで聞いていただきたいと思います。
 慌しく日を送っていると自分のこころが見えなくなって、何処かに天国があるような錯覚をすることがございます。あるいは地獄を恐れて閉じこもったりもいたします。
 自分を見失うときは、自分のこころを見失って彷徨っているときでございます。自分のこころが今どのような段階にあるのか。光というのはどっから差し込んで来ているのか。こころが曇っているのか。澄んでいるのか。それは暖かいこころなのか。冷たく、意地悪になっているものなのか。人や環境のせいにして、犯人探しをしておったんではいつまでたっても幸せの切符を買う売り場さえも見つからないことになると思います。
 怒りとか悔しさなんかのネガティブな感情も何か役割があるから進化の過程で生き残ってきたので、これも大切な脳の働きだと思って慈しんでいく位のこころの余裕があったほうがいいというふうに脳科学者の茂木健一郎さんは述べていらっしゃいます。
 煩悩というのは、脳科学から見れば原始的な部分の働きということが出来るかもしれませんけれども、感情の分野に当てはめることが出来るんだろうと思います。 
 その感情も実は人生の中で何が起こるか分からない不確実性に対処するための働きであるというふうに茂木博士は説いていらっしゃる。
 それぞれの人がそれぞれの感情を抱くことが、全体として見れば人間の社会を豊かにし、人類を発展させる。こうゆうことを「脳の中の人生」というのに書いてあります。それはそのまま生命の多様性を説く仏さまの教えであると思います。
 煩悩即菩提という言葉がございます。密教の根本はこの多様性というものを土台とする生命の賛歌であるのであります。一つだけの感情ですべてを支配しようとすれば怒りとなります。
 さらに増殖しようと貪りとなってしまう、愚かな行為になってしまう。その三毒を排除することと煩悩そのものを否定することとは別であるのであります。
 人類がもっと太古から生命の連鎖の間持ち続けてきた生きる活力ともなるこの煩悩といったものをどのように天国への乗り物とするのかをお大師さまは教えていらっしゃるのであります。(ホテルニューオータニ 悠の間)

2006/8/30 第81回池口恵観勉強会 第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興 7回目(53分) mp3/24.6MB
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 2006/9/23
第82回池口恵観勉強会
ホテルニューオータニ
第一講話 時局
ツルネン民主党参議院議員
朱光出版阿形充規会長
清水榮一先生
サルキソフ先生
第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興8回目
最福寺の大弁才天
人類がこころというものを得た
ホーキング博士
人間原理
仏様がどこにいらっしゃるのか
   弁天さまと言うのは、この世を豊かに生きるために必要な賢さと財運、また潤いといったものを授けるだけではなくって、自分のこころの有り様を照らして教えて下さる、生命の鏡としての役割もあるわけでございます。大弁才天の前で合掌しておりますと、こころが透明になるような気がいたします。それが水と黄金に我が身を写し出して瞑想するというような境地なんじゃないかなと思います。蓮華を胸に思い浮かべて瞑想するのもいいと思います。また、鹿児島においでになって最福寺大弁才天さまと向かい合っていただいて、その水と黄金の鏡に自分の身を写し出していくという気持ちで静かに自分のこころを見つめていただくのもいいんじゃないかなと思います。いづれも幸せの扉を開くことになるというふうに私は思っております。
 人類はいつも自分の姿を確認しながら生きてきたのかなというふうに私は、はっと気づいたというわけでございます。それこそ人類が、他の動物と大きく違うところが、ここだろうというふうに思います。それが先程お話しした進化の過程におきまして、人類がこのこころというものを得た。あるいは、人類にこころというものが発生した一つの理由であるかも知れないのであります。
 自分の存在を知るから、人のことが分かるわけであります。宇宙学者のホーキング博士は、人間原理という説を唱えられました。これは人間がいなければ、宇宙は無いのと同じだというような意味であると思います。私たちは太古から宇宙の動きを知ろうとして、いろいろな研究をしてまいりました。先日、惑星の定義を巡って、とうとう冥王星は惑星ではないというふうに決められてしまいましたけれども、古代は天王星や海王星も見つかっていなかったために、占星術にはこれらが入っておりませんでした。このほど世界の天文学者が集まりまして、冥王星を惑星の中から外しましたけれども、しかし冥王星という小さな星が変化したわけではないのであります。人間が決めようとどうしようとも、冥王星といったものは、いつも変わらず太陽の周りを周っているわけであります。
 仏さまがどこにいらっしゃるのか、あれこれと人間は可能な限りの表現で伝えようといたします。しかし、どのような教え方をしたといたしましても、仏さまはちゃんといらっしゃるのであります。それは私たちのこころの中にいらっしゃるわけであります。それなら、こころはどこにどのような形であるのかと言いますと、お大師さまは続けて教えてくれます。「こころは内にあらず、外にあらず、および両中間にもこころ不可得なり」。こころは体の内にあるものでもなく、外に存在するものでもない。あるいはその中間でもなく、こころの形を得ようとすることは出来ないのである。そのように説いていらっしゃいます。(ホテルニューオータニ 悠の間)

2006/9/23 第82回池口恵観勉強会 第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興 8回目(63分) mp3/28.8MB
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2006/10/30
第83回池口恵観勉強会
ホテルニューオータニ
第一講話
米田先生
出村先生
田中先生
ピアノ演奏・歌手EIKO
第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興9回目
密教は肯定の教え
「不」の眼を磨く
リセットして生きる本質
見える世界だけに留まらない
見える世界に固守しない
   密教は肯定の教えでございます。煩悩さえ受け入れて、これを菩提の種とする訳であります。しかし、肯定するためには、それがどのようなものなのか確認する必要がございます。それを確認するために「不」があるわけでございます。大人に成長するために、親という存在を再確認するために反抗期があるようなものかも知れないのであります。
 リセットという言葉を最近否定的に使うことが多くなってきております。少年、少女が人を殺してしまう事件で、彼らに生命の存在感が無いので、テレビゲームと同じくリセットをすればやり直せるという間違った考えを持たせてしまったという訳じゃないでしょうか。確かにこれは一理あると思います。しかし、私たちは日々このリセットしながら生きているということを忘れてはいけないと思います。
 昨日の続きは今日であるわけでございますけれども、しかし昨日の自分と今日の自分は違うんです。私たちは毎日死んでは生まれ、また死んで生きているのであります。
 細胞は毎日、毎日新しく生まれ変わっているのであります。そのことを実感できるようになれば、みなさんがたは一つの人生を生きている実感を持つことができるんじゃないかなと私は思うんです。細胞が生まれ変わっても、自分という存在が変わらないのは、私たちが肉体だけの存在ではないからであります。
 グリーンランドでの狩猟人生を選んだ大島さんは、物に溢れた高度成長下の日本を離れていかれた。それは、これもいらない、あれもいらないというふうに本当に必要な物を見つける「不」の眼を磨くところから始まったんじゃないかなと思います。リセットして、生きる本質を見つけようとされたんだろうと思います。
 見える世界だけに留まらないで、見える世界に固守しないで、自由自在にどちらの世界からも見ることができる心眼を持つことができるようになっていけば、次のステップに行く事ができるんだろうと思います。
 汚れた大気に気づかないで暮らすことのないようにしなければいけないんじゃないでしょうか。どうして大気が汚れたのか。汚れた事に気づかないのはどうしてなんだろうか。私たちは知らず知らずの内に、自らの眼を曇らせていって五感を鈍らせて暮らしていると思います。
 汚れた空気も慣れてしまえば、深呼吸して生命の糧に出来てしまっているのであります。見えない埃をたっぷり吸っているうちに気づかないで生きてしまっているのであります。それではいけない、もっと自然を我が身に取り戻して生きて行かなければ、こころは空しくなるばかりなんだよとお大師さまは力強く言っていらっしゃいます。(ホテルニューオータニ 麗の間)


2006/10/30 第83回池口恵観勉強会 第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興 9回目(62分) mp3/28.7MB
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2006/11/22
第84回池口恵観勉強会
ホテルニューオータニ
衆議院議員平沢勝栄先生
福本亜細亜先生
第一講話 時局
サルキソフ先生
第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興10回目
平原会長
地球は生きている
家族の絆
国家の絆
極無自性住心
初心というのは教育の原点
親は子供の仏さま
子供は親の仏さま
仏さんの愛
子供は輝く天性を持っている
ルールはしっかり教え込む
   地球というこの星は生きておりますから、その生命を共に生きている存在であるわけでございます。生命と書いて「命」と読んでおります。私は日頃からこの「命」というときに、「命」一文字ではなく「生命」と書いております。それは仏さまと同じであるこの「生命」は、まさに個々の命を生かして、また生きるものであるというふうに考えているからであります。家族の絆、国家の絆という言葉がこのところあちこちで云われておりますけれども、個々の人間も、家族も、国家も、世界も、地球も、みんなこの絆で結ばれているわけであります。
 人と人とはみんな見えない絆でう結び合っているものであります。好きも嫌いも一緒の世界で生きているわけでございます。好きな人、好きなことだけに囲まれて生きるわけにはいかないわけでございます。
 安倍内閣になりまして、いよいよ教育改革が始まることになります。私たちのこころに喜びの充足感と苦しみを耐える強さと、なにより愛されているという安堵感を植えつけていくように、低学年教育を進めてほしいというふうに私は切望しているわけでございます。それがこころの栄養であるわけでございます。脳の栄養も正しくつけていかなければならないのであります。真言を唱えるように天に響くいい言葉を刻んで脳細胞が気持ちよく活発に動いて、好奇心に溢れた積極的な気持ちを持つことが出来るようにしなければいけないんじゃないかなと思います。また、相手のこころを慈しむこころを育てていって、想像力を持って行動できる思考が深まるようにする必要もあるわけでございます。それが能力への栄養であるわけでございます。
 そして、こうした健全な思考を実現できる体力を養うために、体に栄養を付けなければならないのであります。このように極無自性住心(ごくむじしうじゅうしん)を読み解いていきますと、初心というのは教育の原点であるということに気づくということでございます。子供たちのこころに仏さまが教える清らかな初心の種を植えることによって、人生の壁にぶちあたったときに、必ず立ち直って前に進む力を見つけることができるというわけでございます。
 仏さまは愛をもって私たちを見守って下さっているのであります。それは親の愛情のようなものであるというふうにお大師さまは言っていらっしゃいます。親は子供の仏さま、子供は親の仏さまでございます。少子化などといわれておりますけれど、その貴重な宝を持った親たちは自覚を持って見守って欲しいというふうに私は親御さんたちに言うわけでございます。それが仏さんの愛なんですよということです。そして、よその子供と比べないようにともいっております。子供は輝く天性を持っているものでございます。そのすばらしい資質といったものは、磨けばみんな仏さまのように光るものばっかりでございます。
 そのためにも間違ったことをしたら厳しく叱ってあげていただきたいと思います。ルールはしっかり教え込まなくちゃいけないと思います。しかし、その後でしっかりと抱いてやって、愛していることを伝えなくちゃいけないと思います。折りあるごとに私はそのように親にも仏さまのこころを知ってほしいというふうに願っているわけでございます。(ホテルニューオータニ アリエスの間)

2006/11/22 第84回池口恵観勉強会 第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興 10回目(53分) mp3/24.4MB
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2006/12/22 
 
第85回池口恵観勉強会
ホテルニューオータニ
花束贈呈
第一講話 時局
平原会長三つのお祝いの会について語る
サルキソフ先生
参議院議員山内俊夫先生
衆議院議員保岡興治先生
澤和樹教授バイオリン演奏
第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興11回目 
一生懸命お加持
がんが消えてしまう
奇跡がいっぱい起こっている
即身成仏
真言密教の究極の教え
秘密荘厳心
予習なくして学ぶことは出来ない
急かば回れ
同じ日は二度とやって来ない
一期一会
仏さまの知恵
 
   いろんな病気の方が来られます。がんの人たちが来られる、もうお医者さんからさじを投げられて余命いくばくも無いと云われる方、絶対この人は治してあげないといけないという気持ちになって、奇跡が起こると信じて一生懸命お加持をしたときには変わるんですね。がんが消えてしまうことがいっぱいあります。
 意志が夢を実らせていくというふうに私は思うわけでございます。だから、先程いったロシュコフさんに私が願うのは、自分が世界の平和のための導師になるんだという気持ちをこの行で培っていただいて、そのために一生懸命がんばっていただければ、私はロシアの中心になれるというふうに思ったというわけでございます。というのは、こういう自分の体験から、奇跡といわれるようなことがいっぱい起こっているわけなんです。
 それは、どこに意志をきちっと持って行くかということであるわけでございます。
 即身成仏というのは、お大師さまが開いた真言密教の究極の教えでございます。「九種の住心は自性なし、転深転妙にして、みな、これ因なり」。これまで説いて来た九巻目までは、皆それぞれが自体の書を持たない、すべては深くして妙なる十番目の秘密荘厳心に移るべきものであるから、言ってみればこれらは秘密荘厳心の第十心の基であるんだということを云ってらっしゃる。
 生命というのは、この世で悟りの世界を得ることが出来るほど無限の力を持っているものであって、そのことを教えるのが真言密教であるわけでございます。
 これまでに十に分けて十心を述べて来ましたのは、すべて第十番目の真言密教の教えをより深く知るための予習であったというふうにお大師さまは云っていらっしゃるわけでございます。予習なくして学ぶことは出来ないわけでございます。「急かば回れ」、それが学ぶことの基本でございます。
 私は日頃からご先祖さまというこの根っこを大切に供養していけば、今を生きる私たちの生命は強くなって、そして幸せがやって来るんだというふうに説いております。
 歴史を知るということは人類の根に光を当てることでもあるのであります。歴史を学ぶことは、ご先祖のお墓参りをする、そのことと同じことであるというふうに私は思っているわけでございます。
 予習があって本当の事を学ぶことが出来るんだ、これが学問の道でございます。親は子に大人になるための予習を教えます。社会の中で人を頼らないで、しかし人を大切にして生きていくということ。
 人のために尽して行くということが住みやすい社会を作って皆の、そして自分自身の幸せに繋がっていくんだということを、親はしつけという予習で子供たちに伝えていかなければいけないと思います。
 欠けておった月が満ちて真ん丸くなって行くように、私たちはどんなときも予習を忘れないで、一つ一つの事柄を積み上げてこころを磨くことが出来るのであります。
 中秋の名月を見上げるのは一年に一度でございます。その夜が雨であれば、来年まであの中秋の名月を見ることは出来ないから待たなくてはいけない。
 満月は月の周期事に訪れるわけでございますから、何時も満月を見られるからいいんじゃないかと思いますが、しかし中秋の名月というのはたった一度しかやって来ないのであります。
 毎日というのは同じことの繰り返しのようでございますけれども、同じ日というのは二度とやって来ないわけでございます。一期一会と云いますけれども、この一期一会こそ生命というものの本当の姿であるわけでございます。その一瞬を見失わないために全力を上げて生きなければいけない。一瞬が何時やって来るのか。仏さまの知恵が私たちを導いてくれます。(ホテルニューオータニ 麗の間)

2006/12/22 第85回池口恵観勉強会 第二講話「秘蔵宝鑰」こころの復興 11回目(86分) mp3/39.7MB

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